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「地金型金貨」という言葉は聞くけれど、普通の金貨や記念金貨と何が違うのか、はっきりとは分からないですよね。
家にある外国の金貨が「地金型金貨」なのかどうか、どうやって分かるんですか?
刻まれている重さと品位の表示が手がかりになります。まずは「金の量で値段が決まる金貨かどうか」を見ていきましょう。
結論から言うと、地金型金貨は「中に入っている金の価値」で値段が決まる金貨です。
この記事を読むと、手元の金貨が地金型かどうか、売る時にどう評価されるかの見当がつきます。
地金型金貨とは「金の重さが保証された金貨」
地金型金貨は、各国の政府や造幣局が、金の重さと純度を保証して発行している金貨です。
英語では「ブリオンコイン(bullion coin)」と呼ばれます。bullionは地金という意味なんです。
金の延べ棒(インゴット)を、国が保証した硬貨の形にしたもの。
値段は、含まれる純金の重さとその日の金価格でほぼ決まります。
例えば、ウィーン金貨ハーモニー1オンスなら、純金31.1035gが入っていることが発行元によって保証されています。
だから、世界中のどこでも「1オンスの金」として扱いやすいんです。
例えば、店の人とのやり取りはこんな感じになります。
「この金貨、いくらくらいになりますか?」
「ウィーン金貨ハーモニーの1オンスですね。今日の価格表のこの行の金額が基準になります。」
銘柄とサイズさえ分かれば、話がすぐに進むのが地金型金貨のいいところなんです。
世界でどれくらい出回っているの?
地金型金貨は、世界中で大量に売り買いされています。
オーストリア造幣局によると、ウィーン金貨ハーモニーの1オンス貨は、2023年末までに世界で約1,380万枚が販売されました。
南アフリカ造幣局は、クルーガーランドが1967年の発売から2017年の記事の時点で6,000万枚以上(金にして5,300万オンス以上)売れたと書いています。
これだけ多く出回っているからこそ、特別な希少性ではなく、金の量で値段が決まるんです。
法定通貨なのに額面は関係ない?
地金型金貨の多くは、発行国の法定通貨でもあります。
ウィーン金貨ハーモニー1オンスには「100ユーロ」、アメリカンイーグル1オンスには「50ドル」の額面があります。
オーストリア造幣局は、ウィーン金貨ハーモニーの素材の価値は額面をはるかに上回る、と説明しています。
南アフリカのクルーガーランドは、そもそも額面が付いていません。南アフリカ造幣局は、価値は金の含有量と日々の金価格で決まると書いています。
つまり、刻まれた額面の数字を見て値段を考える必要はない、ということですね。
日本の地金商で扱っている銘柄
日本の大手の地金商も、地金型金貨を販売しています。
| 地金商 | 販売している金の地金型金貨(公式の記載) |
|---|---|
| 田中貴金属 | ウィーン金貨ハーモニー、メイプルリーフ金貨 |
| 三菱マテリアル | カンガルー金貨、メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨ハーモニー |
| 石福金属興業 | メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨ハーモニー |
三菱マテリアルは、メイプルリーフ金貨は現在供給の目途が立たないため販売を中止している、と書いています。
クルーガーランドやイーグル、パンダなどは、こうした地金商の販売一覧には入っていません。売る時に扱う店が変わることがあるので、覚えておくといいですよ。
記念金貨・収集用コインとの違い
『金貨なら全部同じように売れるんでしょ?』と思っている方も多いはずです。
実は、金貨には値段の決まり方が違う種類があります。
日本の10万円金貨も、地金型金貨と同じように売れるんですか?
10万円金貨は日本の記念金貨なので、地金型とは別の扱いになります。地金商によっては買取の対象外になっていることもあるんですよ。
| 種類 | 発行の目的 | 値段の決まり方 | 例 |
|---|---|---|---|
| 地金型金貨 | 金の売買・保有のため | 純金量 × その日の金価格が中心 | ウィーン金貨ハーモニー、カンガルー、パンダ |
| 日本の記念金貨 | 記念行事などのため | 額面や希少性も考えて査定 | 天皇陛下御在位記念の金貨など |
| 収集用(プルーフなど) | コレクション向け | 仕上げや状態、発行枚数が加わることがある | プルーフ仕上げのクルーガーランドなど |
| 古い金貨(旧貨幣) | かつて流通していた | 年号や状態で評価が分かれる | ソブリン金貨、ダブルイーグル |
おたからやの公式FAQでは、地金型金貨は「当日の金相場を主軸」、収集型金貨は「発行枚数や希少性によるプレミアムを上乗せして査定」と説明されています。
石福金属興業は「法定通貨(10万円金貨など)」を、売却できないものに挙げています。
プルーフ仕上げは別の評価になることも
同じ銘柄でも、鏡のように磨かれた「プルーフ仕上げ」の金貨は、収集用として作られたものです。
おたからやは、プルーフ仕上げのクルーガーランドについて、通常の地金型より高いプレミアム価値を反映して査定すると書いています。
手元の金貨がピカピカで、専用ケースや証明書が付いているなら、プルーフかもしれません。
ソブリン金貨は少し特別
イギリスのソブリン金貨は、昔から作られている金貨で、地金型として買われることもあります。
ただ、おたからやのソブリン金貨ページには「発行年やミントマークで価値が大きく変わる」と書かれています。
年号や状態の評価が入りやすい点で、ウィーン金貨などとは少し違うんです。
主な地金型金貨の一覧
日本でよく見かける外国の地金型金貨を、発行元と品位でまとめました。
| 銘柄 | 発行国 | 始まり | 品位 | 主なサイズ |
|---|---|---|---|---|
| ウィーン金貨ハーモニー | オーストリア | 1989年10月10日に初めて販売 | 999.9 | 1・1/2・1/4・1/10・1/25オンス |
| クルーガーランド | 南アフリカ | 1967年7月3日に1オンス貨を初鋳造 | 22金(916.7) | 1・1/2・1/4・1/10オンス(分数は1980年から) |
| カンガルー(ナゲット) | オーストラリア | 1986年末にナゲットのプルーフ、1989年にカンガルーの図柄へ | 99.99 | 1オンスのほか分数サイズ・1kgなど |
| アメリカンイーグル | アメリカ | 1986年発行開始(米国造幣局) | 22金相当 | 1・1/2・1/4・1/10オンス |
| バッファロー | アメリカ | 2005年の法律で発行が定められた | 99.99% | 1オンス |
| パンダ | 中国 | 1982年(2012年に30周年の記念貨を発行) | 99.9% | 2016版以降は30g・15g・8g・3g・1gなど |
| ブリタニア | イギリス | 1987年10月14日 | 2013年から999.9(それ以前は22金) | 1・1/2・1/4・1/10オンス |
出典は各国の造幣局・中国人民銀行の公表資料と、米国の法律の条文です。

パンダ金貨はグラムで表す
パンダ金貨は、2016版から重さを「克(グラム)」で表しています。それ以前は「盎司(オンス)」の表記でした。
中国人民銀行の2025版の公告では、普通の仕上げ(普制)の金貨は次の5種類です。
| 純金量 | 直径 | 額面 |
|---|---|---|
| 30g | 32mm | 500元 |
| 15g | 27mm | 200元 |
| 8g | 22mm | 100元 |
| 3g | 18mm | 50元 |
| 1g | 10mm | 10元 |
品位は「成色99.9%」と公表されています。30gは1オンス(31.1035g)より少し軽いので、計算する時は30gで考えます。
同じパンダ金貨でも、年によって表記が違うんですね。
『全部覚えなきゃいけないの?』と身構える必要はありません。
売る時に大事なのは、手元の金貨の「銘柄」「サイズ」「24金か22金か」の3つだけです。
銘柄ごとの詳しい解説は、ウィーン金貨ハーモニーとはやクルーガーランド金貨とはにまとめています。
24金の金貨と22金の金貨がある
地金型金貨には、純金に近い24金のものと、銅などを混ぜた22金のものがあります。
22金の方が純度が低いなら、価値も低いってことですよね?
そこが誤解されやすいところです。22金の金貨は少し重く作られていて、1オンス貨なら純金はちゃんと約31.1g入っているんですよ。
- 総重量がほぼそのまま純金量
- 金色が明るい
- 柔らかく、細かな傷が付きやすい
- 総重量は重いが、1オンス貨の純金は約31.1g
- 銅を含むので赤みのある色
- 硬くて傷が付きにくい
アメリカンイーグル1オンスは、米国の法律で総重量33.931g、純金1トロイオンスと定められています。
クルーガーランドの赤みについて、おたからやは耐久性を高めるための銅によるもので本来の色味だと説明しています。
ブリタニアは途中で品位が変わった
イギリスのブリタニア金貨は、1987年の発行開始から22金(916.7)で作られていました。
英国王立造幣局によると、2013年から24金(999.9)に変わっています。
同じブリタニアでも、2013年より前と後で品位が違うということです。手元のブリタニアの年号を見て、どちらの時代のものか確かめておきましょう。
詳しくは22金の金貨と24金の金貨の違いをご覧ください。
「1オンス」の重さはどこでも同じ
金貨の「オンス」は、トロイオンスという単位です。
日本の計量単位令でも、金貨の質量の計量に使う単位として、1トロイオンス=31.1035gと定められています。
サイズごとの重さは金貨のオンスとグラム早見表で一覧にしています。
売る時はどう評価される?
地金型金貨を売る時の評価は、とてもシンプルです。
結論から言うと、「純金量 × その日の金価格」に近い金額を基準に、店ごとの単価で決まります。
- 銘柄とサイズから純金量を確かめる
- その日の金価格を当てはめる
- 店ごとの金貨の買取単価に読み替える
- 状態や付属品で、店によって調整が入ることがある
例えば、田中貴金属が2026年10月20日17:00に公表した金の店頭買取価格は22,773円/g(税込)です。
これに1オンスの純金31.1035gを掛けると708,320円になります。記事執筆日時点の参考値で、金地金の価格をもとにした数字です。
同じ時刻に田中貴金属が公表したウィーン金貨ハーモニー1オンスの店頭買取価格は692,758円でした。
金貨1枚の買取価格は、地金の価格で出した数字より少し低くなっているのが分かりますよね。

買取店も「地金として」扱う
買取店の価格表にも、地金型金貨の考え方がそのまま出ています。
大黒屋の外国金貨の価格表には「外国金貨・プラチナコインは地金としてのお買い取りとなります」と書かれています。
なんぼやも、金貨は貴金属の相場に沿って、計測した重量と相場を掛けて査定額を出すと説明しています。
どの店でも、出発点は「金の重さ」なんですね。
ケースや状態はどう見られる?
地金型金貨は金の重さで評価されるので、ケースが無くても売れることがほとんどです。
ただ、ケースがあるとプラスになると書いている店もあります。
例えばおたからやは、パース造幣局が発行時に封入した専用ケースに入ったカンガルー金貨について、表面が保護され「極美品」として扱えると説明しています。
パンダ金貨も、パッキングされた状態のまま持ち込むと評価を高められる可能性がある、と書かれています。
『せっかくだから出して飾ろうかな』と思っている方は、売るつもりがあるならそのままにしておく方が安心です。
年号はあまり関係ない
地金型金貨は、同じ銘柄・同じサイズなら、発行年が違っても金の量は同じです。
おたからやのウィーン金貨ページにも、古い「シリング」の刻印と新しい「ユーロ」の刻印で、含まれる金の重量は同じと書かれています。
『古いから高い』『新しいから安い』と考えなくて大丈夫です。
具体的な計算や店の選び方は、地金型金貨の買取ガイドで順を追って説明しています。
よくある相談:地金と金貨はどちらがいい?イーグルは地金型?
Yahoo!知恵袋で見かける、地金型金貨についての相談を3つ取り上げます。
「インフレ対策に、金地金と金貨のどちらを買うべき?」
金を持つなら、インゴットと金貨のどちらが向いているのかという相談です。
どちらも金の重さで値段が決まる点は同じです。違うのは、買える単位と、売る時の扱いです。
- 1/10オンス(約3.1g)など小さな単位で買える
- 国が重さと品位を保証している
- 一部だけ売るなど、分けて手放しやすい
- 大きな重さで買うと、1gあたりの上乗せが小さくなりやすい
- 製造ブランドの刻印が大事
- 小さなバーは売却時に手数料がかかる地金商もある
田中貴金属は、500g未満の地金(バー)の売却時に別途手数料がかかると案内しています。売る時の違いは金貨とインゴットはどちらが売りやすい?で詳しく説明しています。
「金貨と金地金、購入時の手数料やプレミアムはどちらが安い?」
買う時の上乗せの違いについての相談です。
徳力本店は、地金型コインには少額のプレミアム(鋳造コスト等)が加算され、同じ重量の金地金より若干高く販売されている、と説明しています。
じゃあ、売る時もそのプレミアム分は戻ってきますか?
店によります。徳力本店は自社で買ったコインならプレミアム有の価格で買い取りますが、田中貴金属は2019年10月1日に買取プレミアムを廃止しています。
プレミアムの考え方は金貨のプレミアムとは?でまとめています。
「イーグル金貨は地金型コインなの?」
アメリカンイーグル金貨が、地金型として扱われるのかという相談です。
アメリカンイーグルは、1985年の「Gold Bullion Coin Act」という法律にもとづいて発行されています。法律の名前に「bullion(地金)」と入っている、れっきとした地金型金貨です。
22金なので、売る時は総重量ではなく純金量で計算してくださいね。くわしくはアメリカンイーグル金貨とはをご覧ください。
地金型金貨を手放す前に確かめたいこと
最後に、売るかどうかを考え始めた方に向けて、確かめておきたいことをまとめます。
『とりあえず店に持って行けばいい』と思いがちですが、少し準備するだけで納得感が違います。
- 銘柄(発行国)とサイズを刻印で確かめる
- 24金か22金かを確かめる
- プルーフ仕上げや鑑定ケース入りかを確かめる
- 購入時の明細や箱が残っているか探す
- その日の金価格で目安額を出しておく
売る以外の選択肢もある
地金型金貨は、持ち続けても価値が金価格と一緒に動くだけで、使えなくなるものではありません。
『すぐに売らなきゃいけないの?』と焦る必要はないんです。
家族に残すか、今売るかで迷う方は、金貨は売るべき?持ち続けるべき?のチェックリストも参考にしてみてください。
例えば、店で「この金貨は地金型として見てもらえますか?それとも収集用の評価が入りますか?」と聞いてみると、査定の考え方を確かめられます。
実際に金額を知りたくなったら、まず査定だけ受けてみるのも一つの方法です。
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手元の金貨の査定額を確かめる
ウィーン金貨・クルーガーランド・カンガルー・イーグルなどの外国金貨は、ケースから出したものや傷があるものも査定してもらえます。店頭のほか出張査定やLINE査定も選べるので、当日の金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取価格は日々変わります。最新の価格・条件は公式サイトで確認してください。
提示された金額は、自分で出した目安額と並べてから決めると安心ですよ。
よくある質問
地金型金貨と記念金貨は見た目で区別できますか?
地金型金貨には「1 OZ」のような重さや「999.9」のような品位が刻まれていることが多いです。日本の記念金貨は円の額面が刻まれています。迷う時は写真を撮って店に問い合わせるのが早いです。
地金型金貨は外国で買ったものでも日本で売れますか?
売れる店はあります。ただ、三菱マテリアルは海外で購入した金貨の売却に輸入証明書などの提示が必要と書いています。売る店の条件を事前に確かめてください。
地金型金貨は傷があると価値が下がりますか?
金の重さで評価されるのが基本なので、多少の傷なら大きく変わらないと書いている店が多いです。ただ、店や銘柄によって扱いが違うので、気になる時は事前に確かめましょう。
地金型金貨を売ると税金はかかりますか?
国税庁の資料では、金貨を含む金地金等を売った利益は、原則として総合課税の譲渡所得になります。その年の譲渡益から特別控除50万円を引けるので、利益が小さければ税金がかからないこともあります。個別の判断は税務署に確かめてください。
地金型金貨はどこで売れますか?
地金商・買取店・コイン店などで売れます。地金商は扱う銘柄が決まっていることが多く、クルーガーランドやパンダなどは買取店の方が扱いの幅が広い傾向があります。売り先ごとの違いは別の記事で説明しています。
まとめ
- 地金型金貨は、国が金の重さと品位を保証した金貨
- 値段は純金量とその日の金価格でほぼ決まり、額面は関係ない
- 記念金貨・収集用・古い金貨は、希少性や状態の評価が入ることがある
- 22金の金貨も、1オンス貨なら純金は約31.1g
- 売る前に、銘柄・サイズ・品位を刻印で確かめておく







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